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資産形成期は「時間」を味方にリスクを取れますが、取り崩し期(老後)は「資産の寿命」を守る戦いに変わります。

資産形成期から取り崩し期への「グラデーション」

投資の定石は、「ゴールが近づくほどリスク資産(株式など)を減らし、安全資産(債券・現金)を増やす」ことです。

フェーズごとの配分イメージ

  • 資産形成期(〜50代前半):株式 80〜100% : 債券・現金 0〜20%
    複利効果を最大化するため、暴落を恐れず入金力を高めてリスクを取る時期です。
  • 移行期(50代後半〜65歳):株式 60% : 債券・現金 40%
    定年が視野に入ったら、少しずつ「利益確定」を行い、変動幅(ボラティリティ)を抑える準備をします。
  • 取り崩し期(65歳以降):株式 30〜50% : 債券・現金 50〜70%
    資産寿命を延ばすため、運用益を狙いつつも「暴落で資産が半分になる」ような事態を避ける配分にします。
資産形成期〜50代前半
株式 85%
債券 10%
現金 5%
移行期50代後半〜65歳
株式 60%
債券 25%
現金 15%
取り崩し期65歳以降
株式 40%
債券 35%
現金 25%

※配分比率はあくまで一般的な目安です。個人の状況に合わせて調整が必要です。

なぜ老後は「株式100%」ではいけないのか?

シーケンス・オブ・リターン・リスク(収益率の順序のリスク)にさらされます。

取り崩し開始直後に暴落が起こると、減った資産からさらに生活費を引き出すため、資産が急速に枯渇し、その後の相場回復の恩恵を十分に受けられなくなるリスクがあります。

このリスクを回避するために、債券や現金といった「クッション」が必要になります。

暴落からのリカバリー戦略:2つの「盾」

① 「現金クッション」による時間稼ぎ

暴落時は、評価額が下がっている株式は絶対に売ってはいけません。あらかじめ準備しておいた2〜3年分の生活費(現金)から支出を賄います。その間に市場が回復するのを「待つ」のが最大のリカバリー戦略です。

② リバランスという名の「安値買い」

債券の比率を高めておくと、株式暴落時に「債券を売って、安くなった株式を買う(リバランス)」ことができます。これにより、市場が回復した際の反発力を高めることが可能です。

運用年数に応じたポートフォリオの変化

運用残期間 優先事項 推奨アセット例
20年以上 資産の最大化 株式中心(全世界・全米など)
10年前後 リスクの抑制 株式 + 債券(国債中心)
5年以内 資産の死守 株式 + 債券 + 現金(多め)

まとめ

  • 形成期:リスクを取って、資産の「芯」を大きくする。
  • 取り崩し期:現金と債券を組み入れ、暴落時に「売らなくて済む」仕組みを作る。
  • 「増やす」スキルから「守りながら使う」スキルへ。