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在職老齢年金「65万円時代」完全攻略2026:4月の基準額引き上げで約20万人が全額受給へ

📅 2026年06月30日 📖 約18分 🎯 中級〜上級 ✍️ マネトモ編集部

2026年4月、在職老齢年金の基準額が51万円から65万円へ引き上げられました。この改正により、働きながら年金を満額受給できる人が約20万人増加。本記事では、65万円基準での手取りシミュレーション、在職定時改定による毎年10月の年金増額メカニズム、繰り下げ受給との組み合わせで生涯受給額を最大化する戦略を、月収50万・60万・70万円の3パターンで徹底解説します。

📋 この記事の目次
  1. 在職老齢年金「65万円時代」とは:制度改正の全体像
  2. 基準額65万円での減額計算の仕組み:月収パターン別シミュレーション
  3. 在職定時改定の活用法:毎年10月に年金が増える仕組み
  4. 繰り下げ受給との組み合わせ戦略:70歳・75歳受給の損益分岐点
  5. 4つの働き方パターン別シミュレーション:生涯受給額を最大化する選択
  6. 注意すべきリスクと落とし穴:健康・税金・制度変更の3つの視点
  7. まとめ:あなたに最適な戦略を見つけるチェックリスト

在職老齢年金「65万円時代」とは:制度改正の全体像

2026年4月、在職老齢年金の基準額が51万円から65万円へ引き上げられました。この改正は、高齢者の就労促進と年金制度の持続可能性向上を目的としたものです。

制度改正の背景と恩恵を受ける人の範囲

在職老齢年金とは、65歳以降も厚生年金に加入しながら働く場合、給与(総報酬月額相当額)と年金額の合計が一定額を超えると、年金の一部または全部が支給停止される制度です。これまでの基準額51万円では、「働くと年金が減る」という就労抑制効果が指摘されていました。

重要:減額されるのは「報酬比例部分」のみ
在職老齢年金で減額・支給停止の対象となるのは老齢厚生年金の報酬比例部分のみです。老齢基礎年金(国民年金)は在職中でも全額受給でき、減額されません。日々の計算で「基本月額」と呼ぶ金額は、この報酬比例部分の月額を指します。

厚生労働省の推計によると、今回の基準額引き上げにより約20万人が恩恵を受けるとされています。特に以下のような方が該当します。

📌 改正前後の比較
改正前(〜2026年3月):基準額51万円
改正後(2026年4月〜):基準額65万円
差額14万円の引き上げにより、これまで年金が減額されていた層の多くが満額受給できるようになりました。

基準額引き上げの具体的な効果

基準額が65万円になったことで、以下のような変化が生じます。

月収 年金月額 合計 改正前(51万円基準) 改正後(65万円基準)
40万円 15万円 55万円 減額2万円 減額なし(満額受給)
50万円 18万円 68万円 減額8.5万円 減額1.5万円
60万円 20万円 80万円 減額14.5万円 減額7.5万円

この表からわかるように、月収40万円・年金15万円のケースでは、改正前は年金が2万円減額されていましたが、改正後は満額受給できるようになります。

基準額65万円での減額計算の仕組み:月収パターン別シミュレーション

在職老齢年金の減額は、以下の計算式で算出されます。

減額計算式
減額月額 = (総報酬月額相当額 + 基本月額 - 65万円) ÷ 2

用語解説:
・総報酬月額相当額 = 月収 + 年間賞与 ÷ 12
・基本月額 = 老齢厚生年金(報酬比例部分)の月額 ※老齢基礎年金は含まない・減額対象外

ケース1:月収50万円・年金18万円の場合(賞与なし)

【モデルケース・Aさん(仮想シミュレーション)】

設定:65歳・月収50万円(賞与なし)・老齢厚生年金18万円/月

計算:

シミュレーション結果(想定):
実際に受給できる年金 = 18万円 - 1.5万円 = 16.5万円/月
手取り合計 = 50万円(給与)+ 16.5万円(年金)= 66.5万円/月

⚠️ 以下のケースはすべて仮想の人物設定によるシミュレーションです。実在の人物・事例ではありません。数値は概算であり、実際の運用成果を保証するものではありません。

ケース2:月収60万円・年金20万円の場合(賞与あり)

【モデルケース・Bさん(仮想シミュレーション)】

設定:67歳・月収60万円・年間賞与120万円(10万円/月相当)・老齢厚生年金20万円/月

計算:

シミュレーション結果(想定):
実際に受給できる年金 = 20万円 - 12.5万円 = 7.5万円/月
手取り合計 = 60万円(給与)+ 7.5万円(年金)= 67.5万円/月(賞与除く)

ケース3:月収70万円・年金22万円の場合(高所得者)

【モデルケース・Cさん(仮想シミュレーション)】

設定:68歳・月収70万円・年間賞与180万円(15万円/月相当)・老齢厚生年金22万円/月

計算:

シミュレーション結果(想定):
実際に受給できる年金 = 22万円 - 21万円 = 1万円/月(ほぼ全額停止)
手取り合計 = 70万円(給与)+ 1万円(年金)= 71万円/月(賞与除く)

高所得者の場合、基準額が65万円に引き上げられても、年金はほぼ全額停止される可能性があります。この場合は、後述する「繰り下げ受給」との組み合わせが有効です。

在職定時改定の活用法:毎年10月に年金が増える仕組み

2022年4月から導入された在職定時改定は、65歳以降も厚生年金に加入して働く場合、毎年10月に前年度の保険料納付実績を反映して年金額が増額される制度です。

在職定時改定の計算メカニズム

従来は、65歳以降に厚生年金に加入しても、退職時まで年金額は増えませんでした。在職定時改定により、働き続けるほど毎年年金が増える仕組みが整いました。

📌 在職定時改定のポイント
・毎年10月1日に年金額を再計算
・前年9月までの1年間の保険料納付実績を反映
・退職を待たずに年金額が増える
・増額分は翌年以降も継続

具体的な増額シミュレーション

【モデルケース・Dさん(仮想シミュレーション)】

設定:65歳で再雇用・月収45万円・標準報酬月額44万円

1年間の保険料納付による年金増額(試算):

シミュレーション結果(想定):
65歳時点の年金:月15万円
66歳10月(1年後):月15.24万円
67歳10月(2年後):月15.48万円
68歳10月(3年後):月15.72万円
3年間で月7,200円の増額

この増額は、退職後も生涯にわたって継続します。仮に85歳まで生きた場合、3年間働いて得た月7,200円の増額は、残り17年間で約147万円の累積効果を生みます。

在職定時改定と在職老齢年金の関係

注意すべきは、在職定時改定で年金が増えると、在職老齢年金の減額も連動して増える可能性がある点です。

例:年金月額15万円 → 15.24万円に増額
月収50万円の場合の減額計算:
改定前:(50万 + 15万 - 65万) ÷ 2 = 0(減額なし)
改定後:(50万 + 15.24万 - 65万) ÷ 2 = 0.12万円(1,200円減額)

増額2,400円 - 減額1,200円 = 実質増加1,200円/月

働きながら年金を受け取る場合、増額の一部が減額に相殺されるケースがありますが、退職後は満額を受け取れるため、長期的には有利です。

繰り下げ受給との組み合わせ戦略:70歳・75歳受給の損益分岐点

在職老齢年金で大幅に減額される場合、繰り下げ受給との組み合わせが有効です。繰り下げ受給は、66歳以降に年金受給開始を遅らせることで、1ヶ月あたり0.7%(年8.4%)ずつ年金額が増額される制度です。

繰り下げ受給の増額率一覧

受給開始年齢 増額率 月15万円の場合の受給額
65歳(通常) 0% 15万円
70歳 42% 21.3万円
75歳 84% 27.6万円

繰り下げ受給の損益分岐点分析

繰り下げ受給の最大のリスクは、受給開始前に死亡した場合、年金を1円も受け取れないことです。損益分岐点(何歳まで生きれば得になるか)を確認しましょう。

【70歳受給開始の損益分岐点(仮想シミュレーション)】

前提:65歳時点の年金月額15万円

65歳受給の累積額:

70歳受給の累積額:

シミュレーション結果(想定):
損益分岐点は約82歳。82歳以降も生きる場合は、70歳受給の方が有利。

【75歳受給開始の損益分岐点(仮想シミュレーション)】

前提:65歳時点の年金月額15万円

65歳受給の累積額:

75歳受給の累積額:

シミュレーション結果(想定):
損益分岐点は約87歳。平均余命(男性81歳・女性87歳)を考慮すると、健康に自信がある場合のみ推奨。

繰り下げ受給と在職老齢年金の戦略的組み合わせ

月収が高く在職老齢年金で大幅に減額される場合、65〜70歳は働いて年金を繰り下げ、70歳から増額された年金を受給する戦略が有効です。

【モデルケース・Eさん(仮想シミュレーション)】

設定:65歳・月収70万円・年金22万円(65歳受給なら減額21万円でほぼ停止)

戦略:65〜70歳は年金を繰り下げ、70歳で受給開始

シミュレーション結果(想定):

生涯受給額(85歳まで):
65歳受給(減額後):1万円 × 12ヶ月 × 20年 = 240万円
70歳受給(増額後):31.24万円 × 12ヶ月 × 15年 = 5,623万円
差額:約5,383万円

このケースでは、繰り下げ受給の方が圧倒的に有利です。ただし、健康リスク・生活費の確保・退職時期などを総合的に判断する必要があります。

4つの働き方パターン別シミュレーション:生涯受給額を最大化する選択

ここでは、代表的な4つの働き方パターンで、生涯受給額を比較します。

⚠️ 以下のシミュレーションはすべて仮想の設定です。税・社会保険料・インフレ率は考慮していません。実際の判断は社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

パターン1:フルタイム継続(65〜75歳まで働く)

【Fさん(仮想シミュレーション)】

設定:月収55万円・年金18万円・65〜75歳までフルタイム勤務

戦略:65〜75歳は年金を繰り下げ、75歳から84%増額で受給

シミュレーション結果(想定・85歳まで):

パターン2:時短勤務(65〜70歳・週3日勤務)

【Gさん(仮想シミュレーション)】

設定:月収30万円・年金18万円・65〜70歳まで週3日勤務

戦略:65歳から年金を受給(減額なし)

シミュレーション結果(想定・85歳まで):

パターン3:65歳退職+繰り下げ受給(資産取り崩しで生活)

【Hさん(仮想シミュレーション)】

設定:65歳退職・年金18万円・貯蓄3,000万円を取り崩して70歳まで生活

戦略:70歳から42%増額で受給

シミュレーション結果(想定・85歳まで):

パターン4:70歳まで働く+70歳受給開始

【Iさん(仮想シミュレーション)】

設定:月収45万円・年金18万円・65〜70歳まで勤務、70歳から受給

戦略:70歳受給開始+在職定時改定で年金を増やす

シミュレーション結果(想定・85歳まで):

4パターンの比較まとめ

パターン 働く期間 受給開始 生涯年金受給額(試算)
①フルタイム75歳まで 65〜75歳 75歳 3,974万円
②時短70歳まで 65〜70歳 65歳 4,320万円
③65歳退職+繰り下げ 〜65歳 70歳 4,601万円
④70歳まで+受給開始 65〜70歳 70歳 4,907万円

このシミュレーションでは、パターン④「70歳まで働く+70歳受給開始」が最も有利という結果になりました。ただし、これはあくまで平均余命85歳までの試算であり、健康状態・生活費・働く意欲によって最適解は変わります。

注意すべきリスクと落とし穴:健康・税金・制度変更の3つの視点

リスク1:健康リスク — 平均余命前の死亡

繰り下げ受給の最大のリスクは、受給開始前または損益分岐点前に死亡した場合、受給総額が減ることです。

対策:
・健康診断の結果を踏まえて判断する
・家族の長寿傾向を参考にする
・配偶者がいる場合、遺族厚生年金も考慮する(繰り下げ増額分は遺族年金に反映されない)

リスク2:税金・社会保険料の増加

年金が増えると、所得税・住民税・健康保険料・介護保険料も増加します。

年金月額 年収 所得税+住民税(目安) 手取り年収(概算)
15万円 180万円 約5万円 約175万円
21.3万円(70歳受給) 256万円 約15万円 約241万円
27.6万円(75歳受給) 331万円 約28万円 約303万円

75歳受給の場合、額面では84%増額ですが、税・社会保険料を考慮すると手取りベースでは約73%増にとどまります。

リスク3:制度変更リスク

将来的に以下の制度変更が検討される可能性があります。

これらのリスクを完全に回避することはできませんが、複数のシナリオを想定し、柔軟に戦略を見直すことが重要です。

まとめ:あなたに最適な戦略を見つけるチェックリスト

最後に、あなたに最適な戦略を見つけるためのチェックリストをまとめます。

✅ 在職老齢年金65万円時代の戦略チェックリスト

□ 現在の月収と年金額を確認し、減額の有無を計算した
□ 在職定時改定による年金増額の見込み額を試算した
□ 繰り下げ受給の損益分岐点(何歳まで生きれば得か)を確認した
□ 健康状態と家族の長寿傾向を考慮した
□ 税金・社会保険料の負担増を織り込んで手取りを計算した
□ 配偶者がいる場合、遺族厚生年金への影響を確認した
□ 働く期間(65歳・70歳・75歳)ごとの生涯受給額を比較した
□ 生活費・貯蓄・退職金を踏まえて無理のない計画を立てた
□ 社会保険労務士やファイナンシャルプランナーに相談した

在職老齢年金の基準額引き上げは、働く高齢者にとって大きなチャンスです。ただし、最適解は人それぞれ。本記事のシミュレーションを参考に、あなた自身の状況に合わせた戦略を立ててください。

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⚠️ 免責事項

本記事は情報提供を目的としており、個別具体的な年金相談・社会保険相談を推奨するものではありません。年金額の試算は概算であり、実際の受給額は日本年金機構の計算に基づきます。

在職老齢年金の減額計算・繰り下げ受給の判断・在職定時改定の詳細については、社会保険労務士または年金事務所にご相談ください。将来の制度改正により、基準額・計算式・増額率が変更される可能性があります。

本記事のシミュレーションは仮想の人物設定に基づくものであり、実在の人物・事例ではありません。税・社会保険料・インフレ率・健康リスクを完全には反映していないため、実際の判断は専門家のアドバイスを受けてください。

投資・運用・保険商品の購入を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。