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新NISA開始から年初一括360万円×3年=1,080万円投資した人の実績検証:オルカン vs S&P500、2026年8月現在いくらに?

公開日:2026年8月4日 執筆:マネトモ編集部 文字数:約7,200字
2024年1月、新NISA制度がスタートした。年間非課税投資枠360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)を、年初に一括投資で使い切る戦略を選んだ投資家は少なくない。あれから2年半。2024年1月・2025年1月・2026年1月と、毎年年初に360万円ずつ投資を続けた場合、元本1,080万円は2026年7月24日時点でいくらになっているのか。

本記事では、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)とeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の実際の基準価額データを用いて、一括投資の実績を徹底検証する。「ドルコスト平均法と一括投資、どちらが有利だったのか」「オルカンとS&P500、結局どちらを選ぶべきだったのか」——架空のシミュレーションではなく、実測値で答える。

目次

  1. 前提:年初一括360万円×3年の投資スケジュール
  2. 実測データで見る基準価額の推移(2024年1月〜2026年7月)
  3. オルカンに投資した場合の評価額:約1,575万円(+495万円)
  4. S&P500に投資した場合の評価額:約1,547万円(+467万円)
  5. オルカン vs S&P500:2年半の実績比較と差が生まれた要因
  6. 「もし毎月30万円ずつ積立していたら」との比較
  7. 一括投資のタイミングリスク:開始時期で結果は大きく変わる
  8. 今から新NISAを始める人への示唆:実績から学べること
  9. まとめ:1,080万円→約1,550万円という実績が示すもの

1. 前提:年初一括360万円×3年の投資スケジュール

本記事で検証する投資スケジュールは以下の通りです。

投資時期 投資額 非課税投資枠の内訳
2024年1月初旬 360万円 つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円
2025年1月初旬 360万円 つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円
2026年1月初旬 360万円 つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円
累計投資元本 1,080万円 —

新NISA制度では、年間の非課税投資枠として「つみたて投資枠120万円」「成長投資枠240万円」の合計360万円が設定されています。この全額を年初に一括で投資信託を購入する戦略を、3年間継続したケースを仮定します。購入日は各年の最初の取引日(2024年1月4日・2025年1月6日・2026年1月5日)、評価日は2026年7月24日で、基準価額はいずれも実測値です。

⚠️ 制度上の注意:つみたて投資枠は定期的な積立が前提で、年初に120万円を一度に購入することはできないとされています。本記事の「年初に360万円を全額投資」は、制度上の制約を考えない仮定の計算(もし年初に360万円を全額投資していたら)です。実際に一括で購入できるのは成長投資枠(年240万円)で、つみたて投資枠は毎月などの積立になります。
💡 年初一括投資のメリット:市場が年間を通じて上昇トレンドにある場合、早期に資金を投入することで、より長い期間の複利効果を享受できる可能性があります。一方でタイミングリスク(高値掴み)も伴うため、後述のセクションで詳しく検証します。

2. 実測データで見る基準価額の推移(2024年1月〜2026年7月)

まず、eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)とeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の基準価額が、実際にどう推移したのかを確認します。

基準価額の実測値(主要時点)

時点 オルカン基準価額 S&P500基準価額
2024年1月4日(初取引日) 20,756円 24,154円
2024年12月30日 27,686円 34,182円
2025年1月6日(初取引日) 27,473円 33,928円
2025年12月30日 33,365円 39,535円
2026年1月5日(初取引日) 33,507円 39,457円
2026年7月24日 38,243円 44,669円
⚠️ データの出典:基準価額は、Yahoo!ファイナンス(投資信託)に掲載された日次の基準価額(円建て)の実測値です。購入日はいずれも各年の最初の取引日の基準価額を使い、推定値は用いていません。運用会社の公式サイトの公表値と異なる場合があるため、実際の投資判断の際は、必ず各運用会社の公式サイトで最新の基準価額をご確認ください。

年次リターンの推移

各年の騰落率を、円建ての基準価額(前年末の最終取引日との比較)と、参考として米ドル建ての指数リターンで並べます。

年 オルカン基準価額(円建て) S&P500基準価額(円建て) MSCI ACWI(米ドル建て・ネット配当込み) S&P500指数(米ドル建て・配当込み)
2024年 +32.5% +40.8% +17.49% +25.02%
2025年 +20.5% +15.7% +22.34% +17.88%
2026年1月〜7月24日 +14.6% +13.0% — —

※円建ての基準価額の騰落率は、2023年12月29日・2024年12月30日・2025年12月30日の基準価額との比較。ファンドは円建てのため、為替(2024年は円安)の影響を含み、米ドル建ての指数リターンとは一致しません。MSCI ACWIはMSCI公表のファクトシート、S&P500指数の値は二次情報(YCharts)によります。

2024年は円建てでもS&P500(+40.8%)がオルカン(+32.5%)を上回りました。2025年はオルカン(+20.5%)がS&P500(+15.7%)を上回り、2026年の年初から7月24日までもオルカン(+14.6%)がやや優勢です。

グラフからわかるように、両ファンドとも2024年1月から2026年7月にかけて着実に上昇していますが、S&P500の方が基準価額の絶対値は高い水準で推移しています。ただし、リターン率(投資元本に対する増加率)では年によって優劣が入れ替わっている点に注目です。

3. オルカンに投資した場合の評価額:約1,575万円(+495万円)

それでは、2024年1月・2025年1月・2026年1月にそれぞれ360万円ずつオルカンに投資した場合、2026年7月24日時点でいくらになっているかを計算します。

各回の投資の評価額

投資時期 投資額 購入時基準価額 購入口数 2026年7月24日
基準価額
評価額 損益
2024年1月 360万円 20,756円 約1,734,438口 38,243円 約663万円 +303万円
(+84.3%)
2025年1月 360万円 27,473円 約1,310,377口 38,243円 約501万円 +141万円
(+39.2%)
2026年1月 360万円 33,507円 約1,074,402口 38,243円 約411万円 +51万円
(+14.1%)
合計 1,080万円 — — — 約1,575万円 +495万円
(+45.9%)
💡 計算方法:投資額360万円 ÷ 購入時基準価額(円) = 購入口数(投資信託は1万口単位が基本)。評価額 = 購入口数 × 2026年7月24日基準価額 ÷ 10,000。小数点以下は四捨五入しているため、合計値に若干の誤差が生じる場合があります。

結論:オルカンに3年間で1,080万円を投資した場合、2026年7月24日時点で約1,575万円(評価損益+495万円、リターン率+45.9%)となります。

特に2024年1月に投資した360万円は、2年半で約663万円(+84.3%)に成長しています。一方、2026年1月の投資は半年強で約+14.1%と、投資期間が短い分、複利効果はまだ限定的です。

4. S&P500に投資した場合の評価額:約1,547万円(+467万円)

同じ条件で、S&P500に投資した場合の評価額を計算します。

各回の投資の評価額

投資時期 投資額 購入時基準価額 購入口数 2026年7月24日
基準価額
評価額 損益
2024年1月 360万円 24,154円 約1,490,436口 44,669円 約666万円 +306万円
(+84.9%)
2025年1月 360万円 33,928円 約1,061,071口 44,669円 約474万円 +114万円
(+31.7%)
2026年1月 360万円 39,457円 約912,386口 44,669円 約408万円 +48万円
(+13.2%)
合計 1,080万円 — — — 約1,547万円 +467万円
(+43.3%)

結論:S&P500に3年間で1,080万円を投資した場合、2026年7月24日時点で約1,547万円(評価損益+467万円、リターン率+43.3%)となります。

オルカンと比較すると、評価額で約28万円、S&P500の方が低い結果となっています。ただし、2024年1月の投資単体で見ると、S&P500の方が+84.9%(約666万円)とわずかに高リターンでした(オルカンは+84.3%)。差が生まれた要因は次のセクションで分析します。

5. オルカン vs S&P500:2年半の実績比較と差が生まれた要因

3年間の累計投資1,080万円に対する2026年7月24日時点の実績を比較すると、以下のようになります。

ファンド 評価額 評価損益 リターン率
eMAXIS Slim全世界株式(オルカン) 約1,575万円 +495万円 +45.9%
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 約1,547万円 +467万円 +43.3%
差 約+28万円 +28万円 +2.6%pt
⚠️ 評価日によって順位は入れ替わります:本記事の評価日は2026年7月24日です。同じ購入日・同じ口数で、評価日を2026年10月28日(基準価額:オルカン37,680円、S&P500 44,910円)にすると、オルカンは約1,552万円、S&P500は約1,556万円となり、わずかにS&P500が上回ります。数十万円の差は、評価日の取り方で逆転する程度のものです。

なぜオルカンがわずかに優勢だったのか

2024年1月の投資単体ではS&P500が+84.9%とオルカンの+84.3%を上回っていたにもかかわらず、3年間の累計ではオルカンが逆転した理由は、2025年と2026年のパフォーマンスにあります。

結果として、2025年・2026年の投資分ではオルカンのリターンがS&P500を上回り、累計で約28万円の差が生まれました。ただし、この差はわずか2.6%ポイントであり、差は小さく、年によって入れ替わるため、優劣を断定できない範囲です。

💡 市場環境の影響:2025年以降にオルカンが優勢となった背景には、米国以外の市場の動きなど複数の要因が考えられますが、本記事では要因までは検証していません。短期的なパフォーマンスは市場環境に大きく左右され、評価日によって順位が入れ替わることもあります。

信託報酬の差はどう影響したか

eMAXIS Slimシリーズの信託報酬(年率・税込)は、両ファンドとも業界最低水準の0.05〜0.1%程度です。2年半という期間では、信託報酬の差が評価額に与える影響は限定的(数万円レベル)であり、今回の約28万円の差の主要因ではありません。

6. 「もし毎月30万円ずつ積立していたら」との比較

年初一括360万円ではなく、毎月30万円ずつドルコスト平均法で積立ていた場合と比較してみます。

⚠️ 計算の前提:毎月の最初の取引日の基準価額(実測値)で30万円ずつ購入したと仮定します。2026年7月24日時点で購入が済んでいる2024年1月〜2026年7月の31回(累計930万円)で計算しました。年初一括(元本1,080万円)とは元本が異なるため、金額ではなくリターン率で比較します。

計算結果(実測の基準価額による)

投資方法 元本 オルカン評価額(リターン率) S&P500評価額(リターン率)
年初一括360万円×3回 1,080万円 約1,575万円(+45.9%) 約1,547万円(+43.3%)
毎月30万円積立(31回) 930万円 約1,285万円(+38.2%) 約1,264万円(+35.9%)
リターン率の差 — 約+7.7ポイント 約+7.4ポイント

リターン率では、一括投資の方が、オルカンで約7.7ポイント、S&P500で約7.4ポイント高い結果となりました(元本が異なるため、金額は比較していません)。

なぜ一括投資が有利だったのか

2024年1月〜2026年7月の期間は、全体として上昇トレンドでした。このような市場環境では、早期に資金を投入する一括投資の方が、複利効果を長く享受できるため有利になる傾向があります。

一方で、もし2024年1月が高値圏で、その後下落トレンドが続いていた場合は、ドルコスト平均法の方が購入単価を平準化でき、結果的に有利になる可能性があります。

💡 一括 vs 積立の結論:「どちらが必ず有利」という答えはありません。市場が上昇すれば一括が有利、下落・停滞すれば積立が有利です。投資開始時点の高値掴みリスクは常に存在します。

7. 一括投資のタイミングリスク:開始時期で結果は大きく変わる

今回の検証は「2024年1月に開始した場合」の結果です。しかし、もし開始時期が異なっていたら、結果は大きく変わっていた可能性があります。

もし2022年1月に開始していたら?

2022年は世界的な金融引き締めとインフレ懸念で株式市場が大きく下落した年でした。もし2022年1月4日に一括投資していた場合、同年最後の取引日(12月30日)の基準価額は、オルカンで17,073円→16,024円(-6.1%)、S&P500で19,291円→18,035円(-6.5%)と、円建てでもマイナスでした。

ただし、その後の回復局面で評価額は持ち直し、2026年7月24日時点の基準価額は2022年1月4日比でオルカンが+124%、S&P500が+132%でした(円建て)。重要なのは、短期的な評価損益に一喜一憂せず、長期保有を前提とする姿勢です。

タイミングリスクを軽減する方法

一括投資のタイミングリスクが気になる場合、以下の方法が考えられます。

8. 今から新NISAを始める人への示唆:実績から学べること

2024年1月〜2026年7月の実績から、今から新NISAを始める人が学べることは何でしょうか。

① オルカン vs S&P500の選択は「好み」でよい

今回の検証では、オルカンとS&P500の評価額の差はわずか約28万円(2.6%ポイント)でした。どちらが絶対的に優れているわけではなく、年によってパフォーマンスは入れ替わります。

今回の期間の差は小さかったものの、将来も同じとは限りません。自分の投資哲学・リスク許容度に合った方を選ぶのも、一つの考え方です。

② 一括投資は「余裕資金」がある場合のみ

年初一括360万円は、多くの人にとって大きな金額です。生活防衛資金(生活費の6ヶ月〜1年分)を確保した上で、本当に余裕のある資金のみを投資に回すことが大前提です。

余裕資金がない状態で一括投資し、短期的な下落で売却を余儀なくされれば、元も子もありません。

③ 短期的な評価損益に一喜一憂しない

2024年1月の投資は2年半で約+84%と大きく成長しましたが、2026年1月の投資は半年で約+14%とまだ限定的です。投資信託の真価は、10年・20年の長期保有で発揮されます。

今回の実績は「たまたま2024年1月〜2026年7月が好調だった」結果であり、今後も同じペースで成長する保証はありません。逆に、一時的に評価額がマイナスになる局面も想定しておくべきです。

9. まとめ:1,080万円→約1,550万円という実績が示すもの

本記事では、新NISA開始から3年間、年初に360万円ずつ一括投資を続けた場合の実績を、実際の基準価額データで検証しました。

検証結果のまとめ

この実績は、2024年1月という特定の時点から開始した場合の結果であり、開始時期が異なれば結果も大きく変わります。また、過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。

投資の本質は「長期・分散・継続」

オルカンかS&P500か、一括か積立か——これらの選択は重要ですが、それ以上に重要なのは「長期保有を前提に、自分のリスク許容度に合った方法で、淡々と継続すること」です。

今回の実績は、新NISA制度の非課税メリットと、株式市場の長期的な成長力を示す一例に過ぎません。今から始める人も、すでに始めている人も、短期的な値動きに惑わされず、自分の投資計画を見直しながら継続することが、資産形成を進める上での一つの有力な考え方です。ただし、元本割れの可能性があります。

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📌 2026年10月29日の訂正
①購入時の基準価額が、米ドル建ての年間リターンからの逆算による推定値で、実際の円建ての基準価額とずれていたため、各年の最初の取引日の実測値(2024年1月4日・2025年1月6日・2026年1月5日)で全面的に再計算しました(旧:オルカン約1,511万円・S&P500約1,486万円・差約25万円 → 新:約1,575万円・約1,547万円・差約28万円)。購入口数の桁の誤りも直しています。②「毎月30万円積立(36回)」は、2026年7月24日時点で存在しない回を含んでいたため、31回(累計930万円)に直し、リターン率で比較しました。③年次リターンの表を、円建て基準価額と米ドル建て指数に分けて示しました。④つみたて投資枠は年初に一括で購入できない旨の注意と、評価日で順位が入れ替わる旨の注記を追加しました。⑤2022年の例を実測値に差し替え、出典のない記述や断定的な表現を削除しました。タイトルの「2026年8月現在」は、評価日の2026年7月24日時点を指します。
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免責事項

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の推奨・勧誘を目的とするものではありません。投資信託の運用成果は市場環境により変動し、過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。

本記事で使用した基準価額は、Yahoo!ファイナンス(投資信託)に掲載された日次の基準価額(円建て)で、運用会社の公式サイトの公表値と異なる場合があります。実際の投資判断の際は、必ず各運用会社の公式サイトで最新の基準価額・目論見書をご確認ください。

投資判断はご自身の責任において行ってください。個別の投資相談・税務相談が必要な場合は、金融商品取引業者・税理士等の専門家にご相談ください。

新NISA制度は2024年1月に開始された恒久化制度ですが、将来の税制改正により制度内容が変更される可能性があります。最新の制度内容は金融庁ウェブサイト等でご確認ください。

データ出典:Yahoo!ファイナンス(投資信託 基準価額履歴)、MSCI ACWI ファクトシート、金融庁(新NISA制度)、YCharts(S&P500指数リターン)