あなたの資産・年収の『現在地』はどこ?日本の資産分布・年収分布と可処分所得の推移を平均値・中央値・過去推移で徹底解説2026
日本の資産分布の実態——野村総研5階層ピラミッドで見る『富の偏在』
野村総合研究所(NRI)が2025年2月13日に公表した推計(2023年時点)によると、日本の世帯は純金融資産保有額によって以下の5つの階層に分類されます。
| 階層 | 純金融資産保有額 | 世帯数(2023年) | 全世帯に占める割合 |
|---|---|---|---|
| マス層 | 3,000万円未満 | 4,424.7万世帯 | 約79% |
| アッパーマス層 | 3,000万〜5,000万円未満 | 576.5万世帯 | 約10% |
| 準富裕層 | 5,000万〜1億円未満 | 403.9万世帯 | 約7% |
| 富裕層 | 1億〜5億円未満 | 153.5万世帯 | 約2.8% |
| 超富裕層 | 5億円以上 | 11.8万世帯 | 約0.2% |
出典:野村総合研究所 ニュースリリース 2025年2月13日(NRIの推計値)
純金融資産とは、預貯金・株式・投資信託・債券などの金融資産の合計額から、住宅ローンなどの負債を差し引いた額のことです。不動産(土地・建物)は含まれません。表の割合は、階層別世帯数の合計(約5,570万世帯)を分母とした概算です。
『富の偏在』——わずか3%の世帯が全体の26%を保有
この5階層データで最も注目すべき点は、富裕層・超富裕層(合計165.3万世帯)が全世帯のわずか約3%にすぎないにもかかわらず、日本の金融資産全体の約26%を保有しているという事実です。
一方で、マス層(純金融資産3,000万円未満)は約79%と圧倒的多数を占めますが、世帯数の約79%が純金融資産総額の約4割を保有する構造で(二次情報による概算)、富の偏在がうかがえます。
富裕層・超富裕層は増加傾向——2021年から2023年の推移
野村総研のデータによると、富裕層・超富裕層(合計)の世帯数と純金融資産総額は、2021年から2023年にかけて大幅に増加しました。
| 年 | 富裕層+超富裕層 世帯数 | 純金融資産総額 |
|---|---|---|
| 2021年 | 148.5万世帯 | 364兆円 |
| 2023年 | 165.3万世帯 | 469兆円 |
| 増減 | +16.8万世帯(+11.3%) | +105兆円(+28.8%) |
出典:野村総合研究所 ニュースリリース 2025年2月13日(NRIの推計値)
この2年間で、富裕層・超富裕層の世帯数は11.3%、純金融資産総額は28.8%増加しています。株式市場の上昇(日経平均株価は2021年末の約2万8,800円から2023年末には約3万3,500円へ上昇)や、円安による海外資産の円建て評価額増加などが背景にあると考えられます。
この分類はあくまで統計上の目安であり、「マス層だから資産形成に失敗している」「富裕層だから成功している」という単純な評価はできません。世帯の年齢構成・収入・支出構造・ライフステージによって必要な資産額は異なります。
年収分布の実態——国税庁データで見る『平均478万円』の内訳
続いて、年収の分布を見ていきましょう。国税庁が2025年9月に公表した『令和6年分民間給与実態統計調査』(1年を通じて勤務した給与所得者5,137万人が対象。パートや年の途中の入退社は含みません)によると、平均給与は478万円(前年比+3.9%、18万円増)でした。なお、2026年9月公表の令和7年分では、平均給与は487万円と報じられています。
給与階級別分布——最も多いのは『300万〜400万円』層
国税庁データを給与階級別に見ると、以下のような分布になっています。
| 給与階級 | 人数(万人) | 全体に占める割合 |
|---|---|---|
| 100万円以下 | 393 | 7.7% |
| 100万円超〜200万円以下 | 571 | 11.1% |
| 200万円超〜300万円以下 | 677 | 13.2% |
| 300万円超〜400万円以下 | 約826 | 約16.1%(最多) |
| 400万円超〜500万円以下 | 約787 | 約15.3% |
| 500万円超〜600万円以下 | 606 | 11.8% |
| 600万円超〜700万円以下 | 391 | 7.6% |
| 700万円超〜800万円以下 | 271 | 5.3% |
| 800万円超〜1,000万円以下 | 295 | 5.8% |
| 1,000万円超 | 320 | 6.2% |
出典:国税庁 令和6年分民間給与実態統計調査(第16表)。1年を通じて勤務した給与所得者5,137万人。構成比の合計は丸めにより100%にならない場合があります
最も多いのは『300万円超〜400万円以下』層の約826万人(16.1%)、次いで『400万円超〜500万円以下』層の約787万人(15.3%)です。平均値の478万円は、400万〜500万円のゾーンに含まれますが、実際には300万〜400万円の層の方が多いという分布構造になっています。
男女別・雇用形態別の平均給与——格差の実態
国税庁の同調査では、属性別の平均給与も公表されています。
| 属性 | 平均給与(令和6年分) | 前年比 |
|---|---|---|
| 全体 | 478万円 | +3.9%(+18万円) |
| 男性 | 587万円 | +3.2%(+18.2万円) |
| 女性 | 333万円 | +5.5%(+17.4万円) |
| 正社員(正職員) | 545万円 | +2.8% |
| 正社員(正職員)以外(パート・アルバイト等) | 206万円 | +2.2% |
出典:国税庁 令和6年分民間給与実態統計調査
男性587万円に対し女性333万円と、男女間で約254万円(約1.8倍)の差があります。また、正社員(正職員)545万円に対し正社員以外206万円と、雇用形態による差は約2.6倍に及びます。
国税庁の『民間給与実態統計調査』は、民間の事業所の給与所得者(公務員は含みません)個人の給与を集計しています(平均給与は1年を通じて勤務した人が対象)。一方、厚生労働省の『国民生活基礎調査』は、世帯単位の所得(給与所得だけでなく事業所得・年金・不動産収入なども含む)を集計しています。したがって、両者の数値は直接比較できません。次節で厚労省データを見ていきます。
平均値と中央値の違い——なぜ「実感とズレる」のか
「平均年収478万円というけれど、周りを見渡してもそんなに貰っている人は多くない気がする」——このような実感のズレは、平均値と中央値の違いによって生じます。
平均値と中央値とは
- 平均値(mean):全員の数値を足して人数で割った値。一部の極端に高い(または低い)値に引っ張られやすい
- 中央値(median):データを小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中に位置する値。極端な値の影響を受けにくく、『典型的な人』の位置を示す
厚生労働省の『国民生活基礎調査』によると、全世帯の所得は以下のようになっています(調査年ではなく、所得を得た年で表記します)。
| 指標 | 2023年の所得(2024年調査) | 2024年の所得(2025年調査) |
|---|---|---|
| 平均所得 | 536万円 | 575.2万円 |
| 中央値 | 410万円 | 451万円 |
| 平均所得以下の世帯割合 | 61.9% | 61.5% |
出典:厚生労働省 国民生活基礎調査の概況(2024年調査・2025年調査)
2023年の所得では平均536万円・中央値410万円と126万円の乖離があり、最新の2024年の所得でも平均575.2万円・中央値451万円と124万円の乖離があります。さらに、平均所得以下の世帯が全体の約6割(61.5%)を占めているということは、平均を下回る世帯が過半数を占めているということです。
高所得の世帯が平均値を引き上げるため、平均値は『一般的な人の実感』とズレやすいのです(個人の給与で見ると、年収1,000万円超の給与所得者は約6.2%。国税庁は個人の給与、厚労省は世帯の所得で、母集団が異なります)。統計を見るときは、平均値だけでなく中央値も必ず確認しましょう。
世帯類型別の所得——高齢者世帯と児童のいる世帯の違い
厚生労働省の調査では、世帯類型別の所得も公表されています。
| 世帯類型 | 平均所得(2023年の所得) | 前年比 |
|---|---|---|
| 全世帯 | 536万円 | +11.8万円 |
| 高齢者世帯(65歳以上の者のみ、またはこれに18歳未満の未婚の者が加わった世帯) | 314.8万円 | +9.9万円 |
| 児童のいる世帯 | 820.5万円 | +7.9万円 |
出典:厚生労働省 国民生活基礎調査の概況(2024年調査・2025年調査)
高齢者世帯の平均所得314.8万円に対し、児童のいる世帯は820.5万円と、2.6倍の開きがあります。これは、高齢者世帯の多くが年金収入中心であるのに対し、児童のいる世帯は共働き世帯が多く、世帯主と配偶者の給与所得が合算されることが一因とみられます。
さらに、2025年調査(2024年の所得)では、全世帯の平均所得が575.2万円(前年比+7.3%)に達し、高齢者世帯336.1万円(+21.3万円)、児童のいる世帯857.3万円(+36.8万円)と、いずれも大幅に増加しています。
「自分の現在地」を把握する際は、全世帯平均ではなく、自分と同じ世帯類型(単身・夫婦のみ・子育て世帯など)のデータと比較することが重要です。異なる世帯類型の平均と比べても、参考にならないことがあります。
実質賃金の推移と手取りの考え方——名目は増えても手取りは?
ここまで見てきたように、平均給与は478万円(国税庁)、平均所得は536万円(2023年の所得)・575.2万円(2024年の所得)と、いずれも増加傾向にあります。しかし、「給料は上がっているはずなのに、生活が楽になった実感がない」という声も多く聞かれます。
この実感のズレは、可処分所得(手取り)と実質賃金の動きを見るとよく理解できます。
可処分所得とは——税金・社会保険料を引いた『手取り』
可処分所得とは、給与や所得から所得税・住民税・社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険など)を差し引いた後の、実際に使える金額のことです。
名目賃金(額面の給与)が増えても、税金や社会保険料の負担が同時に増えれば、可処分所得(手取り)の増加は名目ほど大きくありません。近年は社会保険料の負担が増える局面があり、手取りの伸びが名目の伸びを下回ることがあります(本記事では可処分所得の推移の数値は示していません)。
実質賃金と名目賃金のギャップ——『名目増・実質減』の構造
もう一つの重要な指標が実質賃金です。実質賃金とは、名目賃金を物価(消費者物価指数)で割った値で、「同じ金額でどれだけのモノやサービスが買えるか」を示します。
厚生労働省の毎月勤労統計によると、2025年の実質賃金指数は前年比-1.3%で、4年連続のマイナスとなりました。一方、名目賃金(現金給与総額)は2025年に前年比+2.3%となりました。
| 年 | 名目賃金(前年比) | 実質賃金(前年比) |
|---|---|---|
| 2023年 | +1.8% | -2.5% |
| 2024年 | +2.9% | -0.2% |
| 2025年 | +2.3% | -1.3% |
出典:厚生労働省 毎月勤労統計(速報・確報の別があり、数値は改定されることがあります)。2023年の名目は未確認のため記載していません
このように、名目賃金は上がっているのに、物価上昇がそれを上回るため、実質賃金(実際の購買力)はマイナスという状況が続いていました。
2026年に入って:実質賃金がプラスに
ただし、2026年1月には、実質賃金が前年比+1.4%とプラスになりました(速報。この月はサンプル入れ替えの影響を含むと注記されています)。その後も、2026年8月分の確報で実質賃金は前年同月比+1.6%とプラスが続いたと報じられています。
背景には物価上昇率の低下などが指摘されますが、因果は確認できていません。今後も、国際情勢・為替・エネルギー価格の動向に左右されます。
名目賃金の増加だけで「給料が上がった」と安心するのは危険です。税金・社会保険料の負担増や物価上昇を考慮した『可処分所得』『実質賃金』の動きを見ることで、家計の実態を正しく把握できます。
あなたの『現在地』を把握する3つのステップ
ここまで見てきたデータを踏まえ、あなた自身の『現在地』を客観的に把握する方法を整理します。
ステップ1:資産階層を確認する(野村総研5階層)
まず、あなたの世帯の純金融資産(預貯金・株式・投資信託などの合計 − 住宅ローンなどの負債)を算出し、以下の5階層のどこに位置するかを確認しましょう。
- マス層(3,000万円未満):全世帯の約79%
- アッパーマス層(3,000万〜5,000万円未満):約10%
- 準富裕層(5,000万〜1億円未満):約7%
- 富裕層(1億〜5億円未満):約2.8%
- 超富裕層(5億円以上):約0.2%
マス層に属していても、世帯主の年齢が20〜30代であれば資産形成の途上にあることが多いでしょう。逆に、50〜60代で退職が近いにもかかわらずマス層であれば、老後資金の準備を急ぐ必要があるかもしれません。年齢・ライフステージと合わせて評価することが重要です。
ステップ2:年収・所得の位置を確認する(国税庁・厚労省データ)
次に、以下の2つの視点で年収・所得の位置を確認します。
(1)個人の給与所得(国税庁データ)
- あなた個人の給与が、給与階級別分布のどこに位置するかを確認
- 最多ゾーンは『300万〜400万円』(16.1%)、次いで『400万〜500万円』(15.3%)
- 平均給与478万円は、400万〜500万円ゾーンに含まれる
(2)世帯の所得(厚労省データ)
- 世帯全体の所得が、平均575.2万円・中央値451万円(2024年の所得)のどこに位置するかを確認
- 中央値451万円が『典型的な世帯』の所得であることを意識する
- 世帯類型別(高齢者世帯336.1万円、児童のいる世帯857.3万円など。2024年の所得)のデータと比較する
国税庁データは「個人の給与」、厚労省データは「世帯の所得(給与+事業所得+年金など)」を示すため、両者は直接比較できません。自分の立ち位置を把握する際は、両方を参照し、世帯全体の収入構造を考慮しましょう。
ステップ3:可処分所得・実質賃金の動きを意識する
名目の給与額や所得額だけでなく、以下の2点を定期的に確認しましょう。
- 可処分所得(手取り):給与明細を見て、税金・社会保険料の控除額が増えていないかを確認。名目給与が増えても、控除額の増加で手取りが横ばいということもある
- 実質賃金(購買力):物価上昇率と名目賃金の伸びを比較。名目が+2%増えても物価が+3%上がっていれば、実質的には購買力が下がっている
2026年に入って実質賃金がプラスになった動向も踏まえ、今後の家計管理・資産形成の方針を見直すことが重要です。
あなたの資産形成シミュレーションを今すぐ始める
現在地が分かったら、次は「どこを目指すか」を具体化しましょう。資産運用比較シミュレーターで、条件を変えて積立プランを試算してみましょう。
シミュレーターを使ってみる →まとめ
本記事では、野村総合研究所の資産5階層データ、国税庁の年収分布、厚生労働省の世帯所得データ、そして可処分所得・実質賃金の推移を通じて、あなたの『現在地』を客観的に把握する方法を解説しました。
重要なポイント
- 日本の世帯の約79%は純金融資産3,000万円未満のマス層に属し、富裕層・超富裕層(約3%)が金融資産全体の約26%を保有する『富の偏在』構造がある
- 富裕層・超富裕層は2021年から2023年にかけて世帯数+11.3%、純金融資産総額+28.8%と大幅に増加している
- 国税庁データでは平均給与478万円(令和6年分)だが、給与階級別では『300万〜400万円』層が最多(16.1%)であり、平均値と実態にはズレがある
- 厚労省データでは2024年の所得で平均575.2万円・中央値451万円と124万円の乖離がある(2023年の所得は536万円・410万円)。平均所得以下の世帯が全体の約6割(61.5%)を占め、中央値が『典型的な世帯』の位置を示す
- 世帯類型別では、高齢者世帯336.1万円、児童のいる世帯857.3万円(2024年の所得)と大きな差がある。自分と同じ世帯類型のデータと比較することが重要
- 名目賃金は上昇しているが(2025年は+2.3%)、実質賃金は2025年まで4年連続マイナス(-1.3%)で、「名目増・実質減」のギャップが生じていた
- 2026年1月に実質賃金は+1.4%とプラスに転じ(速報)、その後もプラスが続いたと報じられている。ただし今後の動向次第
- 社会保険料などの負担が増えると、手取り(可処分所得)の伸びは名目賃金の伸びより小さくなりやすい(本記事では可処分所得の推移の数値は示していません)
「自分の現在地」を把握することは、資産形成・家計管理の出発点です。平均値だけでなく中央値や分布構造を理解し、年齢・世帯類型・雇用形態を考慮した上で、あなた自身の位置を客観的に把握しましょう。
そして、名目の数値だけでなく、可処分所得(手取り)や実質賃金(購買力)の動きを定期的に確認することで、家計の実態をより正確に捉えることができます。
2026年10月28日の訂正:国税庁の給与階級別分布・男女別・雇用形態別の平均給与を、令和6年分民間給与実態統計調査(第16表)の公表値に差し替えました(男性587万円・女性333万円・正社員545万円)。厚生労働省の数値は「調査年」と「所得年」を整理し、2023年の所得(平均536万円・中央値410万円)と2024年の所得(平均575.2万円・中央値451万円)に分けました。世帯類型別の前年差も訂正しています(高齢者世帯+9.9万円・児童のいる世帯+7.9万円)。実質・名目賃金の年次表とグラフは、確認できた数値のみに改め(2024年:名目+2.9%・実質-0.2%、2025年:名目+2.3%・実質-1.3%)、データのない可処分所得の推移や根拠のない因果の記述を削除・修正しました。令和7年分の国税庁データと2026年8月分の実質賃金は、二次報道に基づく記載です。
この記事のテーマを学べる書籍の例です(特定の商品の購入を勧めるものではありません)。リンクにはAmazonアソシエイト・プログラムの広告を含みます。Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
- 池上彰のはじめてのお金の教科書お金の役割や仕組みを、基礎からやさしく解説する。
- きみのお金は誰のためお金の正体と社会のしくみを、対話形式の物語で考える。
- お金は寝かせて増やしなさい長期・積立・分散を軸に、投資信託の基本を説明する。
📝 免責事項
本記事は、野村総合研究所・国税庁・厚生労働省が公表した統計データに基づく一般的な情報提供を目的としており、個別の資産形成・投資・税務・法務に関するアドバイスを提供するものではありません。統計データは調査時点のものであり、最新の数値や制度変更については各省庁・機関の公式サイトで必ずご確認ください。平均値・中央値の位置づけは統計上の参考情報であり、個々の世帯の適切な資産額・収入額を示すものではありません。資産形成・投資判断は、ご自身の状況・リスク許容度・ライフプランに基づいて行ってください。本記事の情報に基づいて行われた判断・行動の結果について、当サイトは一切の責任を負いかねます。